2016.12.14
「我が家」
 「我が家」
 
住まいの設計というのは、いつ建てるかというのも重要なファクター。
一人の時に建てるか、二人の時に建てるか、あるいは子供が生まれてから建てるか。
子供が小さい頃であれば、家族団らん=「皆が同じ空間にいる時間が長くなるような住まいの設計」を考えるかもしれないし、子供が高校生くらいに大きくなった頃であれば、それぞれがある程度、プライバシーを保ちながら、「自分の時間を大切にする住まいの設計」を考えるかもしれない。
もちろん、それぞれの家族によって、住まい方は異なるので、その設計も多種多様、さらには、10年後、20年後を見据えた設計が大切なことは言うまでもない。
それらを踏まえた上で、子供がまもなく成人する段階の家族が住むこの住宅では、これまでの家族の暮らし方を変える住まいの器を設計することを目指した。
子供が小さい頃は、家族全員がほとんどの時間をリビングダイニングで一緒に過ごす暮らし方、つまり、テレビを見るのも、食事をするのも、勉強をするのも、昼寝をするのも、皆が同じ場所で同じ時間を過ごす暮らし方であった。それはそれで家族のコミュニケーションが盛んになり、理想的な空間として機能していたと思う。その生活をこれからも継続するという選択もあったが、子供が大きくなり、勉強の時間、趣味の時間、在宅仕事の時間など、それぞれが自分の時間を持ちたいという思いも少しづつ芽生え、今回はそこに焦点を当て、住まいの設計を行なうこととした。
まず、1階に小さいながらも、家族3人それぞれの個室(3.75畳)を設け、プライバシー性を確保した。リビングダイニングは2階に設け、リビングはソファを置かないサンクンリビング形式とし、ダイニングは食卓テーブルを置かないカフェカウンター形式とした。
ソファを置かないことで、必要以上にリビングで長く滞在することが少なくなり、それぞれが自分の部屋で過ごす時間が増え、逆に家族や友人など大勢が集う時は、サンクンの段差をベンチ代わりに思い思いの場所でくつろぐことができるスペースとした。
また、食卓テーブルを置かないことで省スペースとし、広さをリビングに還元している。カウンター高さや椅子も、あえてハイカウンター、ハイチェアとし、長く滞在しないことを意図している。
このように改めて書いてみると、まるでくつろぎにくいリビングダイニングを作り、家族が団らんしにくい空間を作っているようにも思えるが、実際の生活は、実に快適でコミュニケーションも盛んである。自分の時間と空間を持ちつつ、それぞれが必要な時にリビングダイニングに集う。また、それぞれの個室をお互いに訪ね合ってコミュニケーションを取ることも多い。ある意味、シェアハウスのような暮らしかもしれない。
住まいの器を変えることによって、家族の暮らしが劇的に変化したことを体感する「我が家」である。
 
建築地   東京都練馬区
設計    アトリエ橙+奥山裕生
施工    渡辺技建
竣工    2016年5月
構造規模  在来木造2階建て
敷地面積  81.30㎡
建築面積  40.21㎡
1階床面積 38.09㎡
2階床面積 40.21㎡
延床面積  78.30㎡
家族構成  夫婦+子供1人
用途地域  第1種低層住居専用地域
 
アトリエ橙ホームページ http://www.yusei-arch.com
 

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